【奈良市 vs 天理市】子育て支援制度を徹底比較|医療費・妊婦健診・給食費の違いを解説
奈良県の中心都市・奈良市と、歴史と信仰のまちとして知られる天理市。
どちらも子育て支援に力を入れており、医療費助成や産後ケアなどの制度が整っています。
ただし、その内容や特徴には少し違いがあり、暮らしのスタイルによって感じ方も変わります。
本記事では、奈良市と天理市それぞれの支援制度を比較しながら、子育て世帯にとって住みやすいまちとはどのような環境かを探っていきます。
【制度一覧表あり】奈良市と天理市の子育て支援制度を徹底比較
下の表では、奈良市と天理市の主な子育て支援制度を一覧で比較しています。
医療費・学校給食費・助成制度など、日常生活での負担軽減につながる支援を中心にまとめました。
| 制度名 | 奈良市 | 天理市 |
| 1.子ども医療費制度 | ・高校生まで助成 ・乳幼児 500円~1,000円 ・小学生~高校生 1,000円 | ・高校生まで助成 ・未就学児 全て無料 ・小学生~高校生 外来:1,000円 入院・調剤:無料 |
| 2.妊婦健診費用助成 | ・上限135,000円 | ・上限110,000円 |
| 3.妊娠・子育てのための支援給付 | ・妊娠届時 50,000円 ・出産後の職員訪問時 50,000円 | ・妊娠届時 50,000円 ・出産後の職員訪問時 50,000円 ※地域通貨イチカの場合は各55,000円相当で受給可能 |
| 4.産後ケア | ・宿泊型 1,000円(上限7回) ・日帰り型など 500円(上限7日) | ・宿泊型 4,500円(上限5泊) ・日帰り型 1,300円(上限5日) |
| 5.学校給食(保護者負担) | ・公立小学校 246円/食 ・公立中学校 2025年度は無償 | ・公立小学校 4,400円/月 ・公立中学校 4,800円/月 |
※医療費や助成内容は変更の可能性があります。最新情報は各自治体公式ページをご確認ください。
奈良市の子育て支援制度まとめ│行政支援が充実した安心の体制
奈良市は奈良県の行政や商業の中心地として、多方面で充実した支援体制が整っています。
妊婦健診の助成額や産後ケアの利用回数など、経済的にも心強いサポートが受けられる点が特徴です。
子育て世帯が安心して暮らせるよう、出産前後のサポートから学校教育まで幅広く支援が行われています。
【1】子ども医療費助成
奈良市では、乳幼児から高校生までを対象とした医療費助成制度が整備されています。
▼乳幼児
・外来
医療機関ごとに月額上限500円
・入院
医療機関ごとに月額上限1,000円
※入院期間が14日未満の場合は500円
・調剤薬局
無料
▼小学生〜高校生
・外来
医療機関ごとに月額上限1,000円
・入院
医療機関ごとに月額上限1,000円
※入院期間が14日未満の入院は500円
・調剤薬局
無料
【2】妊婦健診などの費用助成
妊娠期間中および出産後の健診などに対する費用助成も行われています。
▼妊婦健診
最大135,000円
※多胎妊婦は30,000円を追加
▼産婦健診
1回あたり上限5,000円×2回
▼新生児聴覚検査
自動ABR検査:上限4,000円
OAE検査:上限1,500円
▼生後1か月健診
上限6,000円
実際には助成額を超えることが多く、多少の自己負担は避けられませんが、助成の手厚さが費用の軽減につながります。

我が家でも実際に健診で持ち出しがありましたが、上限が高めだとやはり助かりますよね!
【3】妊娠・子育てのための支援給付
奈良市では妊娠期と出産後にそれぞれ給付金が支給されます。
▼妊娠届出時
50,000円
▼出産後の家庭訪問時
50,000円
【4】産後ケア
奈良市の産後ケアは宿泊型・日帰り型・訪問型と種類があり、各プランでの自己負担額は以下のとおりです。
▼宿泊型
1泊1,000円(最大7泊)
▼日帰り型・訪問型
1日500円(上限は合わせて7日)

天理市では5回まで利用可能ですが、奈良市では7回まで利用できます(^^)
【5】学校給食
学校給食に関する費用は以下のようになっています。
▼小学校
1食246円(保護者負担)
▼中学校
2025年度は給食費が全額無償

奈良市の中学生全員が無償化対象という点は、保護者にとって本当にありがたい支援ですね。なお、令和7年度(2025年度)のみの予定とされていますが、今後の継続にも注目です。
天理市の子育て支援制度まとめ│地域通貨と医療費助成が魅力
奈良市に続いて、天理市の子育て支援制度も見ていきましょう。
天理市は地域通貨「イチカ」を活用した独自の支援や未就学児の医療費を全て無料にする制度など、実生活に寄り添ったサポートが特徴です。
妊娠期から出産後までの支援も整っており、奈良市とはまた違った形で子育て世帯を支えています。
【1】子ども医療費助成
天理市の子ども医療費助成制度は次のとおりです。
▼未就学児
全て無料
▼小学生~高校生世代
・外来
医療機関ごとに月額1,000円
・入院・調剤薬局
無料

県庁所在地の奈良市より子どもにかかる医療費は抑えられています(^^)
【2】妊婦健診などの費用助成
天理市の妊婦健診などの費用助成は次のとおりです。
▼妊婦健診
上限110,000円(最大14回)
▼産婦検診
1回につき上限5,000円で2回まで
▼新生児聴覚検査
自動ABR検査:上限4,000円
OAE検査:上限1,500円
▼生後1か月児健診
上限6,000円
【3】妊娠・子育てのための支援給付
天理市でも奈良市と同様に妊娠と子育てのための支援給付が行われます。
タイミングと支給額はそれぞれ次のとおりです。
▼妊娠届出時
50,000円
▼出産後の行政職員訪問時
50,000円
※デジタル地域通貨イチカで受け取る場合はそれぞれ55,000円相当となります。

イチカで受け取る場合は奈良市よりも1万円お得になりますね!
【4】産後ケア
天理市の産後ケア事業はショートステイとデイサービスの2種類があります。
利用料金や利用時間などは次のとおりです。
▼ショートステイ(宿泊型)
・利用料金
4,500円
・利用時間
10時から翌日10時まで
※一部の施設で異なる場合あり
・食事提供
昼食・夕食・朝食の3食
※別途料金
・利用上限
合計5泊以内
▼デイサービス(日帰り型)
・利用料金
1,300円
・利用時間
9時から16字までの間で5~7時間程度
・食事提供
昼食のみ ※別途料金
・利用上限
合計5日以内
【5】学校給食
天理市の学校給食費は次のとおりです。
▼公立小学校
月額4,400円(4月分は無償)
▼公立中学校
月額4,800円(4月分は無償)
奈良市と天理市の通勤アクセスを比較|大阪・京都に出やすいのは?
奈良市と天理市の交通の便についても比較してみました!
ここでは、奈良市の主要駅である【近鉄奈良駅】と天理市の主要駅である【近鉄天理駅】【JR天理駅】からのアクセスをまとめています。
大阪市へのアクセス
▼奈良市
・近鉄奈良駅~近鉄大阪難波駅
乗り換えなしで約37分
・近鉄奈良駅~JR大阪駅
鶴橋駅で乗り換えて約55分
▼天理市
・近鉄天理駅~近鉄大阪難波駅
平群駅・大和西大寺駅で乗り換えて約1時間2分
・近鉄天理駅~JR大阪駅
大和西大寺駅・鶴橋駅で乗り換えて約1時間16分
・JR天理駅~JR難波駅
乗り換えなしで約1時間21分
・JR天理駅~JR大阪駅
奈良駅・天王寺駅で乗り換えて約1時間31分
京都市へのアクセス
▼奈良市
・近鉄奈良駅~近鉄京都駅
大和西大寺駅で乗り換えて約50分
▼天理市
・近鉄天理駅~近鉄京都駅
平群駅で乗り換えて約1時間5分
・JR天理駅~JR京都駅
奈良駅で乗り換えて約1時間9分
比較結果は…
天理市は奈良市の南部に位置する市であり、その分大阪や京都へのアクセスは奈良市より遠い結果となりました。
ただ、同じ奈良市内、天理市内でも住む場所によってこの辺りは逆転したりしますので、転居などを検討する際は実際に最寄り駅を確認してくださいね。

奈良市と同様に近鉄とJRの二大電鉄が利用できる点は天理市のメリットでもありますね(^^)
奈良市・天理市の商業施設や住環境は?詳細は各市紹介記事へ
上記制度の詳細や住環境、商業施設情報については、それぞれの市町村紹介記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。


【まとめ】奈良市と天理市の子育て支援を比較してわかったこと
奈良市と天理市はどちらも子育て支援に力を入れていますが、その特徴には違いがあります。
医療費助成は天理市の方が手厚く、子どもの医療費をより安く抑えられるような制度を実施しています。一方で、奈良市は妊婦健診の助成内容が充実しており、中学校給食費の無償化など教育面での支援も進んでいます。
それぞれのまちが持つ強みは異なりますが、「どの制度を重視するか」で感じ方も変わるでしょう。
また、奈良市は県庁所在地として、天理市は宗教都市としての一面を持っています。
子育て支援制度の内容だけでなく、まちの雰囲気や周囲とのつながり方も含めて、自分たちのライフスタイルに合う地域を選ぶことが大切ですね。
それぞれのまちの詳細は個別の紹介記事でもご覧いただけます。
奈良の子育て世帯にとってまち選びの参考になれば幸いです。